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フォード エスコートMk1 RSが“新車”で復活。当時の設計図を使って最新技術で成形


値段さえ見なければ、この車はかなりいい。フェラーリ・ルーチェでジョニー・アイブがやりたかったのは、こんな車じゃないかと思わせる、外装内装。

今回のフォード エスコートMk1 RSは、フォードの公式ライセンスを受けたBoreham Motorworksが、ゼロから新しく作るエスコートMk1 RS。

見た目は1970年代のラリーの匂いがする。けど、デザイン、素材に今の匂いがぷんぷんする。

Boreham Motorworksはこの車を、レストモッドでも継続生産車でもなく「Continumod」と呼んでいる。昔のエスコートRSの雰囲気を、現代の技術で再現する。ただし、快適で安全な旧車風グランドツアラーではなく、もっと直球のドライバーズカーとして。

最初の発表は2024年12月。今回、かなり市販仕様に近い形で登場

このエスコートMk1 RSの復活計画が発表されたのは、2024年12月12日。
当時から限定150台、フォード公認、そして10,000rpmまで回るエンジンを積むという話で、クラシックフォード好きの心臓を軽く突いていた。

そして2026年6月、より市販仕様に近い形のFord Escort Mk1 RSがあらためて公開。

生産台数は世界限定150台。
右ハンドルと左ハンドルの両方が用意される。

価格はイギリスで29万5000ポンドから。日本円にすると、現在のレートでは約6350万円。アメリカでは40万ドルからとされていて、こちらも約6400万円になる。
日本円にすると、ざっくり高級マンションの頭金みたいな世界。

見た目はちゃんとエスコート。でも中身は新しい

ご覧の通り、まず外観が「どうして最近の車って、昔っぽい、いいデザインで新車作らないの?」という、車にあまり興味がない人が素直に聞いてくる、あの質問に対しての答えになっている。初代フォード エスコートの雰囲気をかなり強く残しつつ、ボディの曲がり方や染め方になぜか最新味を感じるこの謎。むちゃくちゃいい。
実は外観は、フォードのオリジナル図面をもとにデジタル化し、専用のジグで組み立てるというかなり本気の製造方法。昔の設計思想を現代の精度で作り直した車、と言える。そんなやり方できるなら、どんどんやってほしい。

中も変態的で、レザーの使い方はまぁ想像の範囲内として、スイッチ類や計器、ペダルやステアリングがこれでもかというくらい、人の心に刺さる。こんな車作れるなら、作ってよ。と思うけど、とにかく高い。

895kg、330PS、10,000rpm

スペックもいい。

車重は895kg。
最高出力は330PS。
エンジンは自然吸気の4気筒。
そして、最高回転数は10,000rpm。

今のスポーツカーは、速くなるほど重くなりがちだ。モーター、バッテリー、電子制御、快適装備、安全装備。それらはもちろん大事だけれど、気がつくと車重は1.5トン、1.7トン、場合によっては2トン近くまでいく。

その時代に、900kgを切るFRの2ドアクーペ。
しかも自然吸気エンジンを10,000rpmまで回して、5速マニュアルで走らせる。

楽しくないわけがない。

エンジンは2種類。主役はやっぱり“Ten-K”

用意されるエンジンは2種類で、ひとつは1.8リッターのツインカム4気筒で、こちらは185PS前後。
もうひとつが、この車の変態性を決定づけている2.1リッター自然吸気4気筒「Ten-K」だ。

Ten-Kは名前の通り、10,000rpmまで回るエンジン。
最高出力は約325〜330PS。個別スロットルボディを備え、かなりモータースポーツ寄りの作りになっている。

電子制御で丸めない、という贅沢

パワーステアリング、ABS、トラクションコントロールのような現代的な介入を、あえて最小限にしている。
Boreham Motorworksは「Peak Analogue」という言葉を使っているが、要するにドライバーと車の間に余計な翻訳機を挟まない、という考え方だ。

アルファロメオ4Cを思い出す思想だけど、4Cはミッドシップでターボ。今回はFRでNAだ。


150台限定の、かなり特別な少量生産モデルだから、価格もスーパーカー級になるし、購入もいわゆる注文製作に近い流れになる。
でも、メーカーのデザイナーさんたちを目覚めさせるための1台となってほしい。

この車なら、車を好きになった理由を、思い出させてくれるかもしれない。


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