フランス・ルノーが、2026年の全仏オープン「Roland-Garros(ローランギャロス)」に合わせ、新たなコンセプトモデル「Renault 4 JP4x4 Concept」を公開しました。サーフカーだからコンセプト止まりの可能性はあるけれど、むちゃくちゃいいです。
ベースとなるのは、新型EV「Renault 4 E-Tech electric」。
これを“ビーチアドベンチャー仕様”として提案し、砂なんかいくらは入ってきたっていいという発想で、オープンエア構造、4WD化された電動パワートレイン、サーフカルチャーを思わせる世界観を作り出しています。

1969年と1981年のRenault 4を現代EVで再解釈
今回のJP4x4 Conceptは、1969年の「Renault 4 Plein Air」、そして1981年の「Renault JP4」へのオマージュとして開発されています。
特に「JP4」は、フランスのCar Systeme社が手掛けたビーチバギー風カスタムモデルとして知られており、ホイールベース短縮やオープン構造など、遊び心にあふれたモデルでした。
今回のJP4x4は、その精神を現代EVとして再構築した存在です。
ルノー自身も、“free, summery vibe”
つまり「自由で夏らしい雰囲気」をテーマにしたと説明しています。

まるで電動ビーチバギー。大胆なオープン構造
デザインはかなり大胆です。
通常のRenault 4 E-Techとは大きく異なり、
- オープンワーク構造のルーフ
- 最小限のドア
- ソフトトップなし
- ピックアップ風のドロップダウン式テールゲート
という構成を採用。
室内と外界の境界を曖昧にすることで、“アウトドアとの一体感”を強調しています。
ルノーのアドバンスドデザインディレクター、Jean-Philippe Salar氏は、
「内と外の境界が存在しないクルマ」
として設計したと語っています。

エメラルドグリーン×オレンジ。1970年代ルノーへの強い敬意
エクステリアカラーは、パール調の“Emerald Green”。
これは1970〜80年代のRenault 4Lに設定されていた、
- Emerald Green
- Lettuce Green
を現代風に再解釈したカラーだと説明されています。
さらに印象的なのがインテリアですが、鮮やかなオレンジ色のシートは、1970年代ルノー車に採用されていた“Egyptian mummy seats(エジプトのミイラシート)”をモチーフに。これがまた現代だとオシャレです。
ヘッドレスト一体型のバケット形状に加え、
- ファブリック仕上げのダッシュボード
- テキスタイル仕上げのドアパネル
- フローティングセンターコンソール
など、レトロと現代デザインが巧みに融合されています。


ただのショーカーではない。“4WD EV”としての技術的提案
このJP4x4 Concept、見た目だけのショーカーではありません。
最大のポイントは、後輪側に追加された第2モーターです。
これにより、Renault 4 E-Tech electricをベースにしながら、“常時4WD化”を実現しています。
ルノーは、
- 砂浜
- 石の多い路面
- 未舗装路
での走行性能向上を狙っていて、さらに、
- 最低地上高を15mmアップ
- 前後トレッドを左右それぞれ10mm拡大
- 18インチ専用ホイール
- Goodyear UltraGrip Performance+タイヤ
を装備。
この構成は、2025年に発表された「Renault 4 Savane 4×4 Concept」と同じRGEV small platformをベースにしていて、ルノーはこの小型EVプラットフォームが“Bセグメント4WD EV”に対応可能であることを示しています。

サーフボードとスケートボード。ルノーが描く“余白のあるEV”
JP4x4 Conceptには、
- ルーフ上のサーフボード
- ラゲッジ内のスケートボード収納
まで用意されています。
これは単なる演出ではなく、“どこへ行くか決めない移動”そのものをデザインしたようなクルマです。
ルノーはこのクルマで、「EVは効率的な移動手段であるだけでなく、自由を楽しむための道具にもなれる」
というメッセージを発信しているようにも見えます。

市販予定はなし。しかし、ルノーの本気度は高い
近年のルノーはRenault 4をベースに、
- FL4WER POWER
- Savane 4×4
- Vision 4Rescue
- JP4x4
など、多彩なコンセプトを連続投入しています。
つまりルノーは、「Renault 4 E-Tech electric」という1台を、単なる実用EVではなく、“さまざまなライフスタイルを映し出すキャンバス”として活用しようとしているのです。
スペック競争とは別の場所で、EVの魅力を再定義しようとしている。
今回のJP4x4 Conceptは、そんなルノーの思想がもっとも色濃く現れた1台なのかもしれません。

