Official Movie クルマとバイクの雑談。

2015年のNDロードスター そして同じエンジンを積むマツダ3とCX30の話。

2015年5月21日(木)に発売されたロードスターは10年を過ぎた今も大人気。

あの外観に古さをいまだに感じないのは本当に不思議だけど、SNS時代に若者の心を捉えているのも妙に納得です。

エンジンも絶賛されていますが、搭載されているエンジンは最新開発のものではなく、当時もすでに熟成されていたスカイアクティブGエンジン。

1.5がP5-VPと呼ばれるもので、RFの2.0はPE-VPS。

なので、たとえば今のマツダ3の1.5や、CX-30の2.0はそれぞれ同じエンジン(第二世代)なんです。

このガソリン自然吸気エンジン、デミオ(1.3L)でもアクセラでも評判でした。

当時は、燃費重視、高効率という目標で作られましたが、基本設計はなんとロングストローク。

街中で使いやすいエンジンにするため、低中回転域でトルクを発生させようという試みです。

実際に、ロングストロークでトルクを低回転側にもってくると、高回転を使わないので燃費がいいです。

スポーツカーでは使われないロングですが、これがNDに使われたわけです。

そのころ、マツダのカタログに載っていた宣伝文句は、「高圧縮比」でした。

普通は11くらいのところ(デミオは12.0)、13.0で実現したというもの。

さらに改良されて14.0になりました。今のロードスターはまさにこの14.0なわけです。

この圧縮比を実現するためのロングストロークの選択であり、排気干渉抑制やさまざまな理由でロードスターでは独自の排気が開発されました。

1.5は最大トルク回転数4800。そもそもトルクが薄いので、より最大トルク回転数を低くしたいところですが、スポーツカーということで高回転域も狙いたく、中回転域に設定されたようです。

2.0は4600で、同じどころか少し低いので、低回転域で1.5よりも力強さを感じる仕組みになっています。

また、改良によって最終的に4000rpmになりました。

ロードスターのエンジン(P5-VP RS 縦置き)はその後、熟成に熟成を重ね、ECUのセッティングをスポーツ寄りに、専用カムシャフト、軽量フライホイール(高回転用)、専用鍛造クランクシャフト、掃気を促進する4-2-1排管といった工夫を更新し続けています。

せっかくロードスターのあるマツダに乗っているんだから、ロードスターのデザインで大きい車を作ってほしいところです。

が、一応、マツダ3もCX-30も、ロードスターやRFと同じエンジンなので、共通項は多いわけです。

たとえばマツダ3の1.5だって少しずつ改善しています。2021年ごろの改良では新排ガス規制対応、点火タイミングを調整。

燃費のわずかな改善など。2023年は吸気系の微調整、ECUマッピング変更、低速域のレスポンス改善、音・振動の制御向上などです。

正直、マツダ3の1.5は楽しいです。それは、最初から最大トルク発生回転数が3500rpmだからだと思います。

高回転域は望めないものの、バイク並みの低回転域でトルクを感じることができます。

また、1.5と2.0のボアストローク比も興味深いです。

1.5は74.5 × 85.8(BS比 1.15)というロングストロークですが、2.0は83.5 × 91.2(BS比 1.09)ということで、なんと1.5のほうがロング。

こんな違いも知ると面白くないですか? たぶん1.5はパワーがない分、ロングで、2.0は余裕があるのでスクエア的になっているのだと思います。

とはいえ、「いや、ロードスターと他は全然違う!」という意見があると思います。そうだとすると、やはり排気の違いです。

ND1.5では特にマニホールドの“長さ”が強く確保されていて、

  • 排気干渉を徹底的に排除
  • 低回転のトルクを維持
  • 高回転の伸びを確保
  • レスポンスが鋭い

という設計。一方マツダ3は、基本的には通常の4-2-1ですが、NDのような長さがありません。

理由は、

  • エンジンルームが広くない
  • 衝突安全構造が優先
  • 高回転より日常域の燃費・静粛性を重視

という感じです。

筆者はCX30が発売されたときにガソリン2.0を購入。

今もマニュアルモードで回して遊んでいますが、もともとアクセラのフィーリングが好きだっただけあって、

むちゃくちゃ楽しいです。

最近はマイルドハイブリッドなども出ていますが、やはり素の気持ちよさには叶いません。

ロードスターRFの2.0は2018年にマイナーチェンジ。

最高出力が184馬力になって、プラス26馬力。

最大トルクは20.9kgmでプラス0.5kgm。

レブリミットが6800回転から7500回転にアップして、最大トルクはなんと4000回転(マイナス600回転)という、上も下も拡大です。

CX30の2.0は吸気ポートやピストン形状を最適化。燃料の分割噴射や冷却水制御バルブといった技術を採用しています。

最高出力は2019年の発売当初から変わらず、156馬力、最大トルク20.3kgmを4,000rpmということで、トルクに関しては車両重量が違うものの、同じフィーリングを感じられるかもです。

RF乗りの人からしたら、「CX30と同じはずがない」と思われること必至ですが、CX30側からすると、RFと似ているのは嬉しいのです。

というわけで、マツダはこの10年、ディーゼル推し、スカイアクティブX開発、マイルドハイブリッドといろいろ打ち出して来ました。

その間、誰も推してくれなかったピュアな自然吸気ガソリンエンジンがロードスターを通じて長く支持されています。

マツダ3、CX30のピュア自然吸気も個人的にはまだまだおすすめなんです。

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