近未来的なデザインと自律運転技術を備えた電動スクーター「Omo X(オモ・エックス)」。コンパクトな都市型スクーターとしての使いやすさを保ちつつ、必要に応じて形態を変える「マルチフォーム」機能が最大の魅力です。
OMOWAY「Omo X」 ― 自ら立ち、自ら走る“Multiform”スクーターの衝撃
電動スクーター市場はここ数年で大きく進化を遂げていますが、その中でもひときわ注目を集めているのが、OMOWAYが発表した「Omo X」。単なる電動コミューターにとどまらず、自律走行・自動自立・マルチフォーム構造という、未来を先取りした機能を詰め込んだ一台で、街中で見かけたら誰もが目で追ってしまうのは確実です。

自動で立つ、その実態とは?
「自動で立つ」ってほんとなの? と思いますが、実際にデモンストレーションでその能力が披露されました。(最後に動画あります)
低速セルフバランス機能は、車体に搭載されたセンサーと制御システムが常に姿勢を検知し、低速走行時や停車時に自動でバランスを取り続けます。渋滞でのノロノロ走行や信号待ちでも、ライダーが足をつかずに静止できる――まじですか!
もうひとつは、センタースタンドの自動展開です。発表会では無人のOmo Xが自らステージに走り込み、そのままスタンドを下ろして車体を持ち上げ、自立する様子が披露されました。やばいです。
HALO PILOTがもたらす自律性
これらの機能を支えるのは、OMOWAY独自の「HALO PILOT」システム。自動車のADAS(先進運転支援システム)に似た考え方で、カメラやセンサーによって周囲を360°把握し、自動駐車、リモートサモン(呼び出し)、衝突警告、アダプティブクルーズなどを可能にしています。

マルチフォーム ― 1台で3つの顔
Omo Xのもうひとつの特徴が「マルチフォーム」構造。スクーター然とした日常使いのスタイルから、スポーティなストリート仕様、長距離も視野に入るGTスタイルへと、外装パネルの付け替えで簡単に変身します。通勤、週末のツーリング、さらには都市間移動まで、一台でカバーできる拡張性が魅力です。
これいいですが、将来的にもっと可能性を感じます。もっとスポーツタイプになったり、アドベンチャーになったりとか。

デザインは“サイバーパンク”
そのスタイルは従来のスクーターの枠に収まりません。直線的で戦艦のような造形、浮遊感を演出するシート、ワイドなリアスイングアーム。フロントには流れるような「サーベルライト」ヘッドライトが装備され、未来の映画から飛び出してきたかのような印象を与えます。

課題と可能性
開発はすべてが順風満帆というわけではありません。デモは鮮烈でしたが、実際の量産車でどこまで同じパフォーマンスを発揮できるかは未知数。雨や段差、長期使用に耐えられるか、センサーやアクチュエータを搭載することで、重量やメンテナンス性に影響する可能性もあります。
しかし、OMOWAYはすでに東南アジア市場での2026年発売を見据えており、価格は3,500〜3,800米ドル程度と予想。この価格帯で自律機能とマルチフォームを備えるなら、他の電動二輪車にとって強力なライバルとなるはず!
Omo Xが示したのは、電動スクーターが単なる“移動の道具”から“知能を持つパートナー”へ進化する可能性。自ら立ち、自ら走り、そして状況に応じて姿を変える――それはまるでSFのようですが、すでに現実に近づいています。
近い将来、街角で足をつかずに信号待ちするライダーや、自動で駐車位置に収まるスクーターを目にする日が来るかもしれません。その先駆けとなるのでしょうか。
形を変える「Multiform」デザイン
- モジュール式のボディパネルを装着することで、「Scooter モード」「Street モード」「GT モード」の3形態に簡単に変形可能。日常利用からツーリングまで幅広く対応します。
未来を感じるサイバーパンク風デザイン
- 「インターステラー戦艦」を思わせるエッジの効いた直線主体のボディ。流れるような「サーベルライト」ヘッドライトや浮遊感あるシート構造、ワイドタイヤのスイングアームが力強い印象を演出します。
発売予定と価格感
- 2026年初頭、東南アジア市場での販売開始が予定されています。インドネシアをはじめとした都市型コミューティングにマッチしたコンセプトです。
- 予想価格は約3,500〜3,800米ドルと見られ、高級電動スクーターに比べて価格設定は抑えめです。
気になる「自立機能」どうやって実現しているの?
- 低速セルフバランス(自立)
低速時に車体がふらつかないよう自動でバランスを取る機能。各種センサーと制御で転倒を抑え、低速で“倒れにくくする”タイプの自立です。メディアは「低速セルフバランシング」「自動バランス」と表現しています。 - センタースタンドを“自動でかけて持ち上がる”
発表会では車体が無人でステージに走ってきて、そのまま自動でセンタースタンドを出し、車体を持ち上げて静止するデモが報じられています。別媒体も「センタースタンドを自動で伸ばして持ち上げる(jack itself up)」と記述。これは“物理的にスタンドを使って立つ”動作です。
- 現段階はプロトタイプ段階の実演中心。量産仕様・走行環境(傾斜/段差/雨天/未舗装)で自動スタンドやバランスがどこまで再現性高く動くかは未確定。
- センサーやアクチュエータ追加で重量・複雑性・保守性が増す懸念。
- ステージ走行〜自動スタンドの完全無人デモは実施済みだが、量産車での実用性・耐久性はこれからの検証。
