
ホンダ・プロローグの快進撃が止まらない。
日本ではまったく注目を集めていない量産EVのプロローグ。北米市場向けで日本では販売していないが、このプロローグがなんと大ヒットしている。
2024年第4四半期には、テスラを除く米国EV市場で最も売れたモデルとなったのだ。
これは快挙で、北米でのEV戦略が成功したということ。しかも、トランプ政権の関税政策に対応できる可能性があるので、ホンダにとってもありがたい。
ただ、このプロローグの工場がメキシコという噂もあり、よくわからないが、バッテリーや車体の中身部分はGMが担っていて、外見のデザインをホンダにしているのがこの車。
GMは韓国に工場を多くもっていて、シボレーが韓国製だったりするので、トランプ関税の影響をもろに受けてしまう。
といった心配事はあるけれども、そんななか、ホンダの米国法人は2025年第1四半期の販売台数を発表し、今度はテスラも含めて5位にランクイン。台数としては、9561台を記録したのだ。
1位のテスラ「モデルY」は6万4051台、「モデル3」は5万2520台、フォード「マスタング マッハE」は1万1607台、シボレー「エクイノックスEV」は1万329台)という具合。
1位のテスラはご存知のように政治介入で不評中。2025年第1四半期の売上高は193億4000万ドルで、市場予想の211億1000万ドルを下回った。販売台数も1位や2位なのに、13パーセント減少している。
もっとも人気の地はカルフォルニアなのに、カルフォルニアやニューヨークといった大都市を抱える州はトランプが大嫌いなのだ。
しかも、旧モデルのマイナーチェンジしか予定がなく、新機種への投資をしない方法は明らかに自動車メーカーとしては異色。これからわざわざテスラを選ぶ人が本当にいるのだろうかと思うくらいで、そこにプロローグが食い込んでいるのだ。
マスタングマッハEはご存知のようにスポーツ車。エクイノックスEVがSUVなので、SUVではこのエクイノックスとプロローグが2強となる可能性が高い。
気になるのは、冒頭で述べたような、GMの生産方法だ。
なんと、GM自体がもうアメリカ生産に頼っていない。ほぼ半数を外国生産にして、輸入しているのだ。
2024年は123万台というから、もうトヨタを上回る規模だという。
主な生産地は韓国(3工場)で、当然ながら25パーセントの関税がかかる。
関税によって最大50億ドル(約7200億円)の影響を受ける恐れがあるらしく、主要メーカーで最も打撃を受けるのが、最も守らなくてはならない米メーカーだというから皮肉だ。
中国でも生産していて、5万5000台が145パーセントという高関税がかけられることになる。
さて、GMのこの苦境にプロローグは巻き込まれるのか?
実は、生産されているといわれているメキシコ工場だが、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に準拠していることを条件に軽減措置の適用をトランプ氏が認めた」ため、より低い関税が課されているらしい。
ということは、メキシコにはマツダの工場もあるけれど、救われたのか。
8日の報道では、トランプが「この協定はいらない」と言っているらしく、優遇は一時的なものになるかもしれない。