バイクではショートストローク、ロングストロークの話は楽しいですが、実は車にもそういう話はあります。
バイクと同じでショートが基本ですが、マツダのガソリンエンジン、ホンダのN-BOXがなんとロングストロークエンジンです。
ロングストロークって、古いハーレーとかの、あのロングストローク? と思うとそれはそれで違うのですが、N-BOXはバイク好きなら大好きなVTECまでついてます。
マツダのガソリンエンジンはマツダ3やデミオ、CX30などに搭載されていますが、NDロードスターもロングストロークエンジン。
その割に、「気持ちよく吹き上がる」という話も聞きますよね。
バイクも車も、基本的にレビューでは「気持ちよく吹き上がる」は魔法の言葉。
吹き上がらないと、残念がられます。
もしロングストロークで、重たいフライホイールの場合、吹き上がりは重たくなります。
それなのに、吹き上がりがいいというのは、フライホイール(クランクウェブ)が軽いというか、普通のバランスということです。
私はCX30のガソリンですが、7000回転からレッドゾーンになります。
NDも同じで、7000回転ならそれほど高回転型ではないと思います。
でも、軽いフライホイールで簡単に7000までいきます。
CX30の最大トルクは4000回転。これも比較的低めでロングストロークらしさが出ていますが、7000が上限であれば真ん中というわけでもなく、これは吸気管の長さで回転数を調整しています。
トルクをどの位置にしても、低燃費であることは変わりません。ボア(シリンダーヘッドの直径)が小さいほど、効率よく燃焼できるので、低燃費エンジンになります。
本当はフライホイールを重たくして、その慣性力を活かすとさらに低燃費になるのですが、そういったサウンドでもないのでバランス型でしょう。
NDは最初、1.5Lの幌でしたが、RFはNC(三代目)から譲り受けた2.0Lでした。
そのため、1.5Lの軽い吹け上がりに対して、もっさり感があったようです。
その後改良され、二つあった吸気バルブを一つにすることで大きくしました。大きくなって流入スピードが遅くなると、1000rpmほどリミットがアップしたそうです。
高回転になるかならないかと、最大トルクの回転数の高回転化は、最大馬力、最高速に繋がります。
なので、やはり車の評価、レビューに深く関わってくるので、無視するわけにもいきません。
もし低回転域でトルクアップを望む簡単な方法は、インテークマニホールドを細く長くすることです。
NBOXは軽自動車では珍しいロングストロークで、一気筒あたり200cc。
なんと。ターボモデルの最大トルクの回転数は2600rpm(スタンダードは4800rpm)。これだけ低いのは、吸気管長が細長いからです。
レッドゾーンはマツダと同じく7000回転。
STDは高速等で息切れが予測されます。そこでVTEC。空気をさらに取り込むことで、馬力アップを狙っています。
マツダもホンダも、ロングストロークは低燃費のため。バイクのような、鼓動感はありません。
ただ、低燃費のためということは、本当はハーレーも空冷ロングストロークのままで低燃費を狙えると思いませんか?
それができない理由は、重量が重く、排気量が大きいからです。
高回転に回して馬力を得ることができないので、排気量を大きくしているのです。
すると、エンジンが熱くなって、空冷ではもたなくなります。
となると、「車体を軽くすること」が至上命題ですが、そこはブランドの考え方もあるでしょう。
もし車体を軽くして、600ccで本気の1台を作ってほしいです。
低燃費、重たいフライホイールの1台。1気筒が300ccなので、45度VのままでOK。
バカ売れすると思います。