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トルクを低回転型にするには、吸気管を長くする?

GB350の回転数リミットを経験した人は多いはずですが、それがなぜなのかわかる人はいますか?

「ロングストロークだから」

「重たいフライホイールを回しすぎるのはやばいから」

私もそんな感じで考えていましたが、どうも違うようです。

なので、上にあるように新しい動画を作りましたので、ぜひご覧ください。

回転数リミットは動画にあるように、ある秘密があるのですが、それ以外の部分、「ロングストロークエンジンはトルクが厚くなる」という説について検証してみました。

「ロングストロークエンジンは重いフライホイールを回せる」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

これは長いシリンダーを上下するピストンのせいなのかと思っていましたが、これはフライホイールのせいらしいです。フライホイールをまわすクランクピンの位置が、重心より遠いと軽い力でも回せる。これが答えです。

ロングストロークは大きいフライホイールでピンの位置が遠く、ショートは小さく、短いということです。

「ロングはトルクがあるから重いフライを回せるのでフライを重くする」と思っていたのですが、違うようですね。

ピストンの直径、つまりボアは、小さくなると下に押し下げる力も小さくなるそうです。

なので、フライホイール(クランクウェブ)を小さい力で回せても、同じ排気量なら結果的にトルクは同じになるそうです。

トルクは排気量で決まるということです。

どうしてロングは大きいクランクにできるのかというのは、おそらくですが、長いシリンダーとコンロッドのおかげではないでしょうか?

ということで、ロングストロークエンジンが大きいクランクウェブを回せるというのは、まず「長いコンロッドにできるから」「スペースがあるから」「大きいと少ない力で回せるから」なのですが、ボアが小さくなるので結果的に「トルクがあるから大きいフライを回せる」ということではないということです。

ただ、低い回転数でトルクを出せるという特長が、重いフライを回せる原因になっているということです。

低い回転数でトルクを出せる理由は、ロングストロークエンジンは長い吸気管長(インテークマニホールド)と相性がいいからです。

それはおそらく、高回転なら短くしたいのですが、高回転を使えないので、短くする必要がないからだと思います。馬力を稼ぐには、高い回転数で最大トルクが出るようにして、回転数とかけあわせることで馬力が出ます。

なので、馬力を出したいなら短くします。

最大トルクはシリンダー内にしっかり混合気を満たすことで達成されますが、長い吸気管を通るとそれが達成されます。低回転でそれができるのは、ボアが小さいことによって、空気の流入が速くなることも関係しています。

また、「回転数の周波数特性と共振する吸気管長のとき」(ライダーズクラブより)に混合気が最大になるらしいので、低い回転数の周波数特性と、長い吸気管長の周波数特性が合っているということです。

まとめると、トルクを低回転型にするには、長い吸気管が必要だということです。

その上で、大きく重いフライを回すと、バイクらしい鼓動が生まれます。

ですが、現代バイクは馬力至上主義。

ショートストロークで作るのですが、もし吸気管を長くすれば、低回転型になります。

そして馬力は失われます。

これってたとえば、トライアンフの水冷エンジンや、ロイヤルエンフィールドの650のエンジンですよね。たぶん。

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