モトグッツィが昨日、新世代ロードスター「The Trip 500」を発表しました。モトグッツィといえば、左右にシリンダーヘッドが張り出した独特の縦置きV型2気筒エンジン。しかし、今回登場したThe Tripには、なんと並列2気筒エンジンが搭載されています。そして流行の500cc。

単なる新型車ではなく、モトグッツィ自身が「新世代の始まり」と表現するモデル。最高出力は約48馬力。装備重量180kg、シート高790mm、燃料タンク容量15Lという数値が発表されています。
まず気になるのがエンジンです。現在、モトグッツィと同じピアッジオグループに属するアプリリアには、RS457やトゥオーノ457に搭載されている457ccの水冷並列2気筒エンジンがあります。

このエンジンは最高出力47.6PS、最大トルク43.5Nmを発揮し、3000rpmですでに最大トルクの82%を発生するのが特徴。The Tripについても、メーカーは低回転域から豊かなトルクを発生すると説明しています。
エンジンの出自はまだ正式に明らかにされていませんが、アプリリアの457ccエンジンとの共通性は気になるところ。モトグッツィの伝統的なVツインも低回転域での力強さが魅力なので、その性格を新しい並列2気筒でも引き継ごうとしているのかもしれません。
もうひとつ注目したいのが、駆動方式。従来のモトグッツィはシャフトドライブを採用してきましたが、公開された映像を見る限り、The Tripはチェーンドライブ。エンジン形式だけでなく、車体設計もこれまでとは大きく異なるようです。
デザインは丸型ヘッドライトを備えたシンプルなネイキッドスタイル。金属製の燃料タンクに、ブラック仕上げのエンジン、そして倒立フロントフォークを組み合わせています。モトグッツィらしいクラシカルな雰囲気を残しながら、ずいぶん現代的な印象になりました。

装備も充実しています。電子制御スロットルを採用し、Road、Sport、Rainの3種類のライディングモードを搭載。メーターはスマートフォンとの接続に対応した3.6インチの円形TFTディスプレイで、ハンドルスイッチにはバックライトまで備わります。ナビゲーション機能とクイックシフターもアクセサリーとして用意されるとのこと。
個人的にいいと思うのが、15Lという燃料タンク容量です。500ccクラスの軽量なロードスターとしては余裕があり、日帰りツーリングだけでなく、もう少し遠くまで走りたくなる設定。燃費はまだ発表されていませんが、航続距離にも期待したいところです。400cc前後のネイキッドでは、これほど大きなタンクを備えたモデルはあまりありません。15LといえばホンダGB350と同じ容量。このクラスとしては頼もしい数字です。
燃費はまだ発表されていませんが、航続距離にも期待したいところです。
カラーはBlack Metropolis、Green Grove、Red Beatの3種類。さらに新世代の幕開けを記念した「The Opening」という特別仕様車も設定されます。

実車は11月5日から一般公開されるミラノのEICMAで披露され、2027年初頭から正規ディーラーで販売される予定。価格、日本への導入時期、詳細なスペックはまだ発表されていません。
伝統の縦置きVツインにこだわってきたモトグッツィが、あえて並列2気筒の500ccモデルを投入する。その決断だけでも十分にニュースですが、The Tripの魅力は、価格上昇にあえぐ西欧各国のユーザーに対して、「もうそろそろバイクは手頃になるべきだ」というメッセージかもしれません。ぜひ日本でも低価格で導入を。

