BMWはクルマとバイクがあり、BMW Motorradはバイク部門。今回アップした動画は、「モトラッドへようこそ」というメッセージをYoutubeチャンネル専用に作ったもの。今後もバイクメーカーはYoutubeのオフィシャル動画の強化を進めていくはずだが、今回もモトラッドの気迫を感じるものになっている。
まず冒頭に一瞬出てくるのこの写真に、バイクらしい、そして最近の人々が求めている何かが多分に隠されている。
「自然を感じたい」「自分だけの豊かな時間が欲しい」
もともと盛り上がりつつあったソロツーリング&ソロキャンプがコロナでさらに盛り上がり、バイクメーカーとしてはそこからさらにプッシュした、ちょっと手の届かないアドベンチャーの様子を結びつけようとしている。
たしかに、人生に「冒険(バイク)」というアイテムを入れるかどうかは自分次第。
BMWはこの動画で「人生はハイウェイではなく、分岐点もあれば、カーブもある。自分で選択できるのだ」とメッセージを送っている。「どこに向かおうとも、退屈にはならない」と。
日本は一度、高度経済成長を経験して、ある程度裕福になった。競争社会を経て、本気で「勝った」「負けた」の価値観を見直している。
特に若者にその傾向が強く、仕事で「勝つ」よりも、プライベートで充実したいと思っている。
一方で、まだまだ勝ちたい国は成長を求めて、勉強も仕事も上を目指し続ける。
アメリカや西欧、日本は、そこからは少し前に進み、バランスを選択し始めている。
一人が勝って、あとは負けという社会を認めない。
その、次の社会で、高い経済成長は見込めない。
だから、高額なクルマ、高額なバイクは時代に逆行している。
だからBMWには、いいメッセージ性の持つバイクを、なるべく安価に作るという目標も持ってほしい。
クルマにしても、バイクにしても、プレミアムという言葉を言い訳にしないでほしいのだ。