EVに勢いがあるのはいいけれど、大容量化していって、各家庭で充電をしはじめるとそれはそれで電気の使い過ぎになる。東日本大震災のあとは電気の使用を控えようという呼びかけがあったが、そんなときに充電していると白い目で見られるかもしれない。
だとすると、やはり主役はハイブリッドもしくはプラグインハイブリッドになる。
EVに興味がある人にとっては、少しだけEVなプラグインハイブリッドがいい。
というか、なぜカルフォルニアはEV化を進めるのかわからない。
災害時などのことを考えると、ガソリンの要素もあったほうがいい。
プラグインハイブリッドは現況をみて推し進めるべきもの。地震も森林火災もあるカルフォルニアは、もっとパワフルでタフな仕組みが必要なはずで、それはEVではない。
なんて話も、数年前なら現実味がなかったけれど、プラグインハイブリッドも珍しくなくなってきた。ちなみに、プリウスPHVはガソリン換算61km/Lという凄まじさ。
RAV4 PHVは人気で注文停止状態。100Vか200Vの家庭用コンセントから充電できて、200Vなら満充電まで5時間30分。電気代は高くつきそうだが、電気だけで95kmも走れる。そして、キャンプでは1500Wの電気として使える。ハイブリッドモードでも22.2km/L(WLTC)と優秀だ。
一方、BMW330eの場合、EV走行は36.9km。ハイブリッドは17.7km/l(JC08)。1998ccでトータル最高出力は185kW(252ps)、トータル最大トルクは420Nm(42.8kgm)。
RAV4はモーター単体が134kWで、2.5Lガソリンエンジンと組み合わせてトータルは306psと高い数値。
プリウスPHVならハイブリッドで30.3km/L(WLTC、1.8Lエンジン)、EV走行距離60km。エントリーモデルで330万円程度というのも、比較してみるとかなり安い。
国内でPHVとして人気なのはトヨタのほかに三菱アウトランダーがある。
ミッドサイズSUVなので2.4Lエンジン。
ハイブリッドで18.6km/L(JC08、WLTCなら16.4km/L)。EV走行換算距離はJC08で65km。
発売当初から1500Wの電源としてキャンプで使えるのが売りだった。非常時にはエンジンでの発電と組み合わせて最大10日分の家の電気をまかなえるので、災害時にも強い味方になる。
というわけで、各社スペックの差はあれど、環境性能としては抜群だ。
最終的に、電気代とガソリン代の組み合わせでコストはいくらなのかは買ってみないとわからない。
ニッサンが推し進めているe-POWERはガソリンエンジンを回して得る電気で走るもの。ノートe-POWERの場合、JC08で34km/Lになるんだから凄い(ワンペダルモードで回生したときのみ。高速道路は苦手)。プリウスのエントリーで32.1km/L(WLTC)だから、ほぼ同じ燃費ということになる。
EVのリーフ(62kWhバッテリー)はWLTCモードで航続距離が458km、JC08で570km。
また、燃費は40kWhバッテリーでリッター150円、電気代1kWh15円で換算すると、100km/L(JC08)になるという。
そのため、トヨタとしては長年蓄積したハイブリッドの技術を全車に標準化したうえで、EV、PHVを推し進めていく。トヨタのハイブリッド時代に完膚無きまでにやられた非トヨタ車は、EVとPHV、e-POWER系のレンジエクステンダー型(ガソリン発電ハイブリッド車)で燃費競争に参加する。
ホンダはクラリティPHVに加え、CR-VにもPHVを搭載する予定。EVのHonda eも好評だ。WTLCでは航続距離が283km。高速も乗りたいなぁという人には不向きだが、すでに注文は殺到して停止状態。
Honda eと同じ35.5kWhのバッテリーを積むマツダ初のEV はMX-30。すでに国内ではマイルドハイブリッドで発売されているが、欧州ではEVとして5200台の受注があるという。日本では2021年だが、先にマイルドハイブリッドを設定したのは、EVに対する自信の無さなのか。航続距離200kmという噂だが、もし筆者だったら毎日せっせと充電しないと怖い。
なので、マツダの本命は2022年から予定されているロータリーエンジンを使ったレンジエクステンダーで、その燃費によっては今までマツダ車に踏み込めなかった環境重視の人々を取り込めるかもしれない。
Mazda3などに導入されれば、「ロータリー」という言葉の響きだけでなんとなく欲しくなる人が大発生するだろう。