フィアット・クライスラーの5カ年計画が発表され、アメリカの車サイトの見出しには「チャレンジャー、チャージャーは未来あり。124スパイダーは残り、Viperは終わり」と出た。
この写真の車がアメ車として偉大な歴史を誇るダッジ・バイパー。
CEOであるセルジオ・マルキオンニはイタリアミラノで1日、五カ年計画を発表し、アルファブランドの充実を掲げたが、アメリカ大陸の遺伝子に対しては微妙な姿勢をとった。
“Viper cannot stand by itself” バイパーは独り立ちは出来ない。
つまり、バイパーは自らのオリジナル・アーキテクチャーでは製造されないという意味だ。
さらに、
“We need to share the architecture, And we can’t put a European turbo engine in it — it has to have a distinctly American engine.”
「我々はアーキテクチャーをシェアする必要がある。そして、ヨーロッパ型のターボは載せられない。それは明らかにアメリカのエンジンであるべきだ」
と語った。ならば、生き残る道はあるのかと記者は問う。
“But it can’t stand alone, I think it was a great old car. I would love to have it, but it’s not in the plan if that’s what you’re asking.”
だが、一人では成り立たない。偉大なオルド・カーだと私は思う。続けたい。だが、もし問われれば、プランにはない」
遠回しな言い方ながら、結果として、計画にはないということになる。
チャレンジャーとチャージャーは製造されるが、ジュリアのプラットフォーム(ジョルジオ)は使われないという。あまりにヨーロッパすぎて、合わないのだ。
124スパイダーについては、マツダの契約条件に従って継続するという。
また、全体的にはジープを拡大、フィアットを縮小する。
というのは、今後数年でフィアットはアメリカと中国から撤退するという意味だ。
アメリカでチンクが買えなくなる。アメリカではほぼクライスラーブランドとなり、ジープとラムの販売を拡大し、マセラティとアルファロメオを統合する可能性もある。
SUV人気の中で、ジープをさらに強化するというのは、VWやトヨタのような大衆車とは別の道を往くと決めたということ。
また、アメリカ市場とヨーロッパ市場の違いを明確にするという狙いもある。
トヨタが上手いのは、それを大昔からやっていることで、日本市場と北米市場を一緒にしないという方法で成功してきた。
フィアットはクライスラーを呑み込みつつも、フィアットをアメリカで拡大することをやめた。
アルファブランドは勝負と続ける(ミトはイタリアで生産終了予定。プントも。)ということで、そこも今後の見所となる。
CセグコンパクトSUV、スティルヴィオのロングホイール、EセグSUVと、新型を予定しているアルファブランド。
失敗は絶対に許されない。