前に記事で紹介した、アルプスに佇むAMG GLEの写真。http://kuluma.jp/archives/1356
この写真が気になってしまうのは、どうしてアルプスのホテルにこの車が似合うのか。ということ。
日本とヨーロッパの街並みは根本的に違うが、リゾートの様子もまた違う。
それは建物のデザインによるものが大きいが、その日本人にはないセンスで車のデザインも行われているのであれば、当然のことだ。
日本人がヨーロッパの田舎の町の家を、景観を損なわずに建てられるのかどうか。
日本人がヨーロッパの車を、景観を損なわずに作れるのかどうか。
そういうことだと思う。
車の歴史や車の性能を追ったデザインだけでは、このGLEのようなデザインにはならないはずだ。
この車がオーナーによってどこに連れていかれるのか。
それを考えたうえでデザインは行われている。
アルプスのリゾートで、湖畔で、この車はどう映えるのか。
日本の車が苦手なのは、まさにそこだ。
フィアット500リーヴァは、ヨット系コラボで、地中海の海辺によく似合う。でも、山の中には似合わない。
アメリカにはジープが似合う。南イタリアの田舎道にはフィアットの車が劇的に合う。
ボルボは北欧に似合うし、シトロエンはパリに似合う。
世界のリゾートには、メルセデスやBMW、アウディ、ポルシェが似合う。それを考え抜かれているからだ。
日本の車はどうか。
東京に、もしくは京都に似合う車。
レクサス、クラウン。どうだろうか。
森の中はアウトバック。
マツダは最近、日本の伝統をデザインに取り入れているが、京都に佇む姿はどうだろうか。
ホンダには田舎に似合う車は見当たらないが、東京に似合うのか。
コペンはローカルに似合うがテーマだ。
ジムニーは山の中を駆け抜け、ロードスターは有料道路をいく。
落ち葉の積もる平らな林道には、白いボディに茶革の124スパイダー(国産?)やソリッド色のXV。
GLEは林の中が似合わない。
あらゆる国とシチュエーションに合うのは、日本ではロードスターと124。
それと、最近のインフィニティQX系は、世界のリゾートに似合うと思う。
世界であらゆるシチュエーションに対応するのは、ボルボV90クロスカントリー。
リゾートも山の中も、海辺でもその佇まいは完璧だ。
日産のコンセプトIDx。
インフィニティQX30
ビルの下も山道もリゾートも。
国産でも、京都に、アルプスに、山に湖畔に都会に似合う車というのを目指してほしい。
ベンツのチーフデザイナー、ゴードン・ワグナーは、道路、橋、ヴィラ、高層ビル、車、ボート、航空機といった未来の世界を含めたデザインを提示している。
それは、メルセデスベンツ・フューチャー・ワールドと呼ばれている。
ゴードンはその世界を自分の想像力の中で生き、美しくインテリジェントでかつ、Hot and coolなメルセデスを描いているという。
衝撃のメルセデスベンツ・コンセプトA デザイン哲学「センシュアル・ピュリティ」が二世代目に
日本のメーカー、デザイナーが描くフューチャーワールドは、存在するのだろうか?
ゴードン・ワグナーが描き、旅する「フューチャー・ワールド」