アリシア・キーズが生い立ちから今の自分までを一人語りする映像「ピース」。
ベンツとのコラボレーションとして古い写真、映像を繋ぎ合わせて作られている。
「誰も真実は教えてくれない。もしそのときは真実だったとしても、他の誰かのフィルターを通されたら、語られたとたんに真実ではなくなる。だから、何があろうとも、真実に辿りつく方法はひとつ。疑いの影なく、からだの中の感覚で感じるときが真実。なぜなら、あなたの真実が真実だから。
それは、誰もが持っているかもしれないと考えている。
すべてを失うことをずっと恐れていた。なぜなら、何もないところから来たから。
私はニューヨークのヘルズキッチンのど真ん中で育った。シングルマザーに育てられ、暴力や銃のはびこる、臭い街で育った。それがディズニーランドになる前のNY。
でもそれはカラフルで、エキサイティングで、音楽のようだった。
クラッシックピアノ。終わらない練習。ベートーヴェンのようにはいかない。
何時間も何日も、一つの曲をコンプリートさせるために練習する。
一生懸命頑張ったわ。ママが一生懸命だったから。
でもどうやって一線を引けばいいのかわからなかった。
どのように楽しむ空間を作ればいいのかわからなかった。
長い間、自分を見失っていた。自分が誰なのかさえ、わからない。
今は少しならわかる。自分のかけら、ピースなら。全部じゃない。
そきにはいろんなかたちのピースがある。全体を形作るピース。
このモザイクみたいに。
それぞれの小さな割れ目は感情だったり、気持ちだったりする。
哀しみや苦しみである必要はない。なんでもなれる。
みんな、確かなものを探しているけど、創造は不確かなものから生まれる」