Official Movie

ルーチェのクーペ版? 突如現れたフェラーリCZ26の正体

フェラーリの公式YouTubeに、見覚えのない銀色のスーパーカーが現れました。車名は「Ferrari CZ26」。SF90とも違いますし、最近発表された量産モデルでもなさそうです。

そして、何より気になるのがその顔です。横一文字に伸びる黒いフロントパネルと、そこに隠れるように配置された細いライト。これ、フェラーリ初の量産EV「ルーチェ」にかなり似ていませんか。

ルーチェに、こんな2ドアクーペがあったのでしょうか。それとも、これから発売される新型車なのでしょうか。気になって調べてみると、CZ26は想像以上に特殊なフェラーリでした。

世界に1台だけ。中身はSF90ストラダーレ

CZ26は、アメリカの顧客がフェラーリに依頼して製作した、世界に1台だけのワンオフモデルです。

フェラーリには、顧客の希望をもとに専用車を作る「スペシャル・プロジェクト」というプログラムがあります。CZ26もその1台で、依頼主とフェラーリのデザインチームが、およそ2年をかけて完成させました。価格とオーナーの名前は公表されていません。

ベースになっているのは、プラグインハイブリッド・スーパーカーのSF90ストラダーレです。

4.0リッターV8ツインターボエンジンと3基のモーターを組み合わせ、システム最高出力は1000cv。0-100km/h加速は2.5秒、最高速度は328km/hに達します。7.9kWhのバッテリーを搭載し、約25kmならモーターだけでも走れます。

パワートレインはSF90ストラダーレを受け継いでいますが、ボディーはほぼ別物です。フロントの冷却システムや床下の空気の流れも見直され、専用のリアスポイラーやディフューザーも装備されています。単にSF90の外板を着せ替えただけではなく、空力まで作り直した本格的なワンオフです。

やっぱり、どう見てもルーチェ顔です

CZ26について、フェラーリは「1970年代のイタリアン・インダストリアルデザインを現代的に再解釈した」と説明しています。

全体は低く幅広く、滑らかなキャビンを独立した前後のフェンダーが支えるような造形です。ボディーカラーは、液体のような質感を持つ「アルジェント・ヴェローチェ」。そこに赤い「ロッソ・ランパンテ」のアクセントが加えられています。

とはいえ、フロントを見ると、どうしてもルーチェを思い出します。横長の黒いパネル、極細のライト、機能部品をひとつの帯の中に収める処理。そして、黒いルーフとピラーによってキャビンをカプセルのように見せる手法も共通しています。

海外のコメント欄でも「スポーティーなルーチェ」「SF90にルーチェの顔を付けたようだ」「これこそルーチェとして発表すべきだった」といった反応が並んでいます。一方で、ヒョンデのコンセプトカー「Nビジョン74」やサイバーパンクの世界を連想する人も少なくありません。

評価はかなり分かれています。「フェラーリらしくない」「最近のフェラーリは直線的すぎる」という厳しい声がある一方、「ルーチェよりはるかに格好いい」「この未来的な雰囲気は好き」という好意的なコメントも目立ちます。

実際、ルーチェでは少し重たく見えたフロントのデザインが、低く構えたCZ26ではうまく成立しているように感じます。ルーチェのクーペ版ではありませんが、「ルーチェのデザインを本格的なミッドシップスーパーカーに使ったらどうなるか」という答えには見えます。

なお、「CZ26」という名称の意味は明らかにされていません。フェラーリのワンオフモデルでは、オーナーに関係するイニシャルや数字が使われることもありますが、今回はすべて非公開です。

結局のところCZ26は、新型フェラーリでも、ルーチェの派生モデルでもありません。たったひとりの顧客の希望から生まれた、V8エンジンを積む“もうひとつのルーチェ顔”です。

世界に1台しか存在しないのは残念ですが、CZ26を見ると、ルーチェで示された新しいデザインにも、まだ違った展開の可能性がありそうです。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください