開催中のNYモーターショウで、トヨタのヤリス最新型が発表された。これは、1月に国内で販売が開始されたヴィッツハイブリッドの海外版だ。
フェイスリフトではバンパーまわりが今のトヨタらしく(ミライのよう)なり、大きなロウアーグリルがより精悍になった。
野性的で挑戦的で、レクサスとの融和性も睨んだこのグリルがコンパクトカーにまで来るのが驚きではあるが、そもそもラリーカー仕様が生まれてからは「ヴィッツってこんなにかっこよかった?」と誰もが思ったはず。
ジュネーブモーターショウではラリーカーに近いモデルであるヤリスGRMN(3ドア、2018年発売予定)を発表して、今回、市販モデルとして登場したのが、この2018ヤリス(北米で夏発売予定)だ。そもそも、2018より前のヤリスがもともとこのデザインなので、ヴィッツハイブリッドがヤリスから生まれたということになる。
GRMN同様フロントライトがLEDに進化し、16インチアルミホイールやフォグランプカバー、リアの変更など、やはり国内版ハイブリッドと同じだ。
ただ、台形型のグリルの目が細かい分、ヴィッツより高級感がある。
それに、ラリーカー仕様のヤリスWRCはなかなかかっこいいので、WRC仕様からこの2018ヤリスまで一直線にクールなはずだが…。
実際は、このデザインに関してアメリカのユーザーは少々手荒い評を与えている。
「デミオは全然こないし、トヨタバージョンのデミオは全然欲しいのじゃないし…」(デミオはマツダから北米で発売されず、トヨタ仕様ザイオン系で発売されたが、ザイオンブランドはその後消滅した)
「トヨタはエンジニアリングが凄いわけであって、経済性も凄いわけだから、外観を見過ぎてはいけない」
「Life is poor? (人生は貧しい?)」
「僕の彼女が前に乗ってたよ。ガールにはいいクルマだけど…」
「ガールだって? ヤリスを女性が乗ってるなんて嫌だよ」(http://www.caranddriver.com/news/2018-toyota-yaris-photos-and-info-news)
という感じ。
ヴィッツはハイブリッドだけでなく、ガソリン車もマイナーチェンジがあり、形状はヤリスと同じになった。
2018ヤリスがクールじゃないならば、ヴィッツのガソリン版は北米の人たちは見てられないはず。
でも、ヴィッツは2018にフルモデルチェンジがあると言われている。今回はあくまでマイナーチェンジだと。
ヤリス的になってだいぶ変更したのに、これがマイナーチェンジということは、次回はTNGAプラットフォームのBセグメント版が登場するということだ。
すると、ヤリスもきっとそちらに吸収される。
だとすると、相当気合いの入ったデザインにならないと、国内も北米も欧州も厳しくなる。
今のヤリスのデザインに対する海外の厳しい目線に負けぬよう、立派なヤリスが誕生することを期待したい。
日本人としては、「ヴィッツはたしかにかっこよくないけれど、ヤリスはかっこいいよね→ヴィッツがヤリス化→でもフルモデルチェンジがくるよ」という気分なので、ヤリスの評判が良くないのは複雑な気持ちになる…。
頑張れヤリス。
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