映画のように1800年代後半の農村風景から始まるムービー。
恐怖におののく少女は、敵国の軍隊を見たのか、それとも魔王でも見たのか…。
1888: Bertha Benz goes on the first long-distance journey in an automobile.
1888年 ベルタ・ベンツは、はじめての自動車による長距離の旅に出ていた
少女は叫ぶ。
「魔女よ! 魔女が来たわ!」
自動車に乗っていたのは女性ベルタと子ども二人。車は馬車型ではなく、三輪。
村を通過する途中で、何が爆発する。
やむなく自動車を押すベルタに対して、つばを吐く村民たち。
少女が目配せをする。
ベルタは店に入り、「薬屋の人はいる?」
と声を掛ける。「10リッターのリグロインを探してるの」
カウンターで飲んでいた男が、「おまえのドレスにか?」
「違う。私のキャリッジによ。あなた持っているのね」
修理をして再び動き出す「キャリッジ」。
去って行くベルタを見つめる少女。
She believed in more than a car. 彼女は車以上の何かを信じた。
She believed in herself. 彼女自身を信じた。
ベルタ・ベンツ(1849-1944)とは、カール・ベンツの妻。まだCarという言葉がなかった時代に、夫の発明の未来性を証明するために旅に出た。
その日は1888年8月5日。特許をとったばかりの三輪に乗り、マンハイムから彼女の実家があるプフォルツハイムまで、106kmの旅を12時間で達成した。
ベルタがリグロイン(ligroin)を買った薬局は、世界で最初のガスステーションとして考えられている。
彼女の旅によって夫の発明は知られるようになり、私たちの生活を永遠に変えることとなった。