このクルマについて話そう。

ライト・ハッチの世界 誰も振り向かないけど無限の楽しさがある5人乗りライトカーの世界

ライトウェイトスポーツというと、軽いがゆえに装備は貧弱で、スパルタンすぎて実用性がないというイメージがあるかもしれない。

けれども、やはり車は軽量を目指すべきで、重たい車にいくら足回りをよくしても軽量にはかなわない。

また、スポーツカーとまで言わなくても、普通の車、たとえば5人乗りで実用的なハッチバックで、軽量な車はやはり楽しい。

名付けて、ライト・ハッチバック。ホットハッチとは言い切れない普通のATモデルを集めた。

その場合の軽量とは、1トン前後で、全長は4m前後になる。また、自然吸気が基本だ。また、ガソリンモデルを中心に集めた。

 

スズキスイフト

 

スズキのスイフト(XL)はMT840kg、AT870kgという超軽量。4WDでも930kgという驚異的な数字。

排気量は1.242リットルだから、バランスとしては凄まじいかもしれない。

パワーウェイトレシオの計算はAT870kg÷91ps=9.56kg。8kgだと本当にスポーツカーになってしまうので、面白い車だと思う。

だが、今度発売されるスポーツはさらに凄い…(記事の後半で)。

 

マツダデミオ

 

デミオの重量も面白い。普通に使える13sというガソリンのMTで1010kg、ATでも1030kg。安全装備が標準となった今では少し変わった(MT1020、AT1030、AWD1130)が、2014年から発売開始したDJの重量はこんな感じで、AWDは1140kgながら、ほぼNDロードスター(990-1060kg)と同じような重量になっている。

1.3リッターで、ライトウェイトの条件ともいえる自然吸気。

ロードスターは1.5リッターで131ps。1060g÷131psで8kg。一方デミオは92psだから、1030÷92ps=11.2kg。

デミオは全長が4060mmとスイフトの3840mmに比べて約18cm長いので健闘だが、スイフトのほうが軽量化と省スペースには苦労したはずだ。

排気量もロードスターの2リットル+にはかなわず、同じ排気量とパワーウェイトレシオを求めるなら15MBというレース用モデルもある。

だとしても、5人乗りで幌でもないデミオがこのパワーウェイトレシオなら、楽しさは保証される。

 

 

トヨタヴィッツ

スポーツモデルのヴィッツGR SPORTなら1040kgで1496cc。自然吸気の109psだから1040kg÷109psで9.5gと間違いなく楽しい。しかしこれはライト・ホットハッチ。

スポーツモデルなんだから、通常グレードはかなわないと思いきや、Uというガソリングレードは、1.3リットル99psと力強く、重量はなんと1010kg。ということは、1010g÷99psで10.2kg。さすがに9.5には及ばなかったが、デミオより1kgも低い。

 

トヨタパッソ

全長3650mmで1リットルを切る排気量。軽じゃないけど5人乗りで軽い車。それがパッソ。なんと重量は910kgだ。

ただし、69ps。なので、910kg÷69psで13.1kg。惜しい。

 

日産ノート

全長4100mmのノートはXモデルが1040kgと軽く1.2L。しかし、79psだから13.1kgになってしまう。メダリストのスーパーチャージャー98psモデルだと1090kg÷98ps=11.1kgと好成績。

 

ホンダフィット

フィットは1.5L(XL)もあるが、軽いのは1.3L。こちらはATで1030kg。100psだから計算は簡単。10.3kgだ。ほぼヴィッツと同じ配分と言えるが、1.5Lは132psと力強い。なのに重量は1070kgだから、8.1kgとロードスター並。1.5Lと1.3Lでは燃費性能が違い、1.5Lは22.2km/lで、1.3Lは24.2km/l。走り重視だとRSというモデルがあり、21km/lの燃費に落ちるが、AT1090kg÷132ps(1.5L)で8.25kg。これで吹き上げるエンジン音が楽しければ最高だし、ホンダなので室内空間性能も抜群。スタイリングが気にならなければ非常にいいライト・ハッチといえる。

ただし、CVTによる厳しい意見は多い。デミオはトルコンAT、スイフトスポーツ新型もCVTからついにトルコンATになった。トヨタヴィッツもCVTなところが難ありだ。

 

 

 

 

番外編

アルファロメオ4C

値段も人数も形も別格になるが、アルファロメオ4Cも全長は4M以下、重量は1050kgだ。

2人乗りなので比較にならないが、1742ccのターボエンジンは240ps。つまり、4.375kg。言葉にならない。

 

ルノートゥインゴGT

10月19日に発売のスポーツモデル。排気量897ccながら、ターボで109ps。4人乗りで重量はもちろん小さいのだから軽い…と思いきや、1010gとそうでもなかった。レシオは9.2kg。ターボだけど後輪駆動で楽しいはず。ただしMTのみ。

 

 

フィアットパンダ

全長3655mmとスイフトより小さく、排気量も875リットルのフィアットパンダも面白い。

2気筒エンジンはハーレーに乗っているようでもあるし、ポコポコ鳴らしながら加速していくのは快感だ。

重さは1070kgで、レシオは1079g÷85gで12.6kg。ただし、いい値だが、ターボなのが少し残念だ。

 

ゼノス E10R

本物のライトウェイトという意味では、この二人乗りが来る。開くドアもウィンドウもないけれど、700kgで2200ccターボ。でも屋根はない。

レシオは350psだから…2kg。

アルファ4cよりも全然早い。エリーゼS(1.8Lスーパーチャージャー)は950kgで220psだから、4.3kg。

 

 

スズキスイフトスポーツ

ここまで読んでいるとだいたい数値の感覚は掴めてくるが、そこで紹介したいのが新型4代目スイフトスポーツだ。ホットハッチだが、なかなか凄い。

1.6L自然吸気から1.4Lターボになってしまったのは残念だが、スポーツとしては初めて1トンを切った。ATで990kg。

140psという数値から、もう凄い数値が予想できる…。7kg…。

この軽さを実現したのは新プラットフォームHEARTECTで、超高張力鋼版をボディの17パーセントに採用。1040kgからMTは70kgの軽量化となった。

 


重量がそもそも重いモデル

たとえば、フォルクスワーゲンポロは1130kgと重いのに、パワーは90ps。なので当然数値は悪く、12.5kg。しかもターボなので、ライトウェイトの楽しさはない。ただ、このように輸入車勢の重さは、安定感には繋がるため、乗り心地に少し高級感が出る。ホットハッチモデルのポロGTIは1240kgで192ps。つまりレシオで6.4kgだから、これはこれで絶対に楽しい。

 

ルノールーテシア 1220kg

プジョー 208      1140kg(MTは1040kg)

BMWMINI ONE     1170kg (定員4名)

アウディ A1     1140kg(定員4名)

 

 

過去の5人乗りライトカー名車

 

シビックタイプR 1998 1070kg 185ps 5.78kg/ps

ミラージュRS 1994 1010kg 175ps 5.77kg/ps

CR-X 970kg 160ps 6.06 kg/ps

他インテグラ、ランサー、スターレットGT

 

まとめ

 

ライトハッチもライト・ホットハッチも、スイフトが圧勝だ。ただ、スイフトのエンジンのフィーリングは必ずしも楽しいとは言えない上、CVTなのでATモデルは少し楽しみがスポイルされている。

スイフトで楽しむなら、これから登場するスポーツのほうがターボでホットハッチながら期待できる。

エンジンフィーリングがいいのはハイブリッドを持たないマツダだが、ハイブリッド主力のトヨタ・ホンダもライト・ハッチのバランスがいいガソリンモデルがあり、必ずしもハイブリッド狙いでチョイスする必要はない。

ヴィッツとフィットがトルコンATになってエンジン音追究するか、デミオは1.5リッターモデル(15MBじゃない)を出してくれると面白くなる。

トヨタ・ホンダともに、ハイブリッドが主力、デミオは重たいディーゼルモデルが主力なので、ライト・ハッチの世界は楽しくも厳しい世界。でも、足回りをよくしても何をしても、重量という基本にはかなわない。

また、ライトウェイトレシオだけで見ると、重い車も2kg/ps台が出たりするので、ライトウェイトカーの参考にはならない。

軽い車に軽いエンジンが加わると、スポーティでも静かにでも、燃費よくでも、さまざまな楽しみ方が無限に楽しめる車が完成するのだ。