トレッキング(Trekking)という言葉は、簡単に言うと山歩きのことだが、必ずしも山頂を目指すわけではなく、「山登り」ではない。
この言葉を車に持ってくると、林道を走る姿が浮かぶ。
バイクでいうとオフロードだ。
トレッキング途中のコーヒーはキャンプよりもヘヴィな感じがする。
もっと大自然の中にいる。
今の車でいうと、ゴルフオールトラック。
大きすぎるSUVではなく、ワゴンを少しだけ車高あげたような車だ。
なるべく軽装で山を駆け抜けようとするトレッキングには、ゴツさのあるSUVは似合わない。
薄くて長く、軽そうなワゴン。
初代パンダを少し伸ばしたようなイメージがトレッキングだ。(※勝手に設定している)
形は違うがヴァナゴンにもそんなテイストがある。
最初のころのゴルフもそうだ。
フィアットには日本未発売ながら「500L トレッキング」があるが、見た目的に軽さがない。
今のボルボならV90クロスカントリー。
メルセデスならCLAシューティングブレーク? でもクロスオーバー感はない。
BMWはツーリングが近いが、やはり街乗り風だから違う。マツダは中国で発売しているCX-4。
また、この分野の開拓者であるスバルは、すべて見た目が重たくなって違う気がする。(しいて言うならXVか)
日産エクストレイルは名前にトレイルと入っているから、コンセプトは同じだけど、厚みがある。SUVだ。
このゴルフオールトラックが表現するトレッキング感を、SUVと言わないならば何と言うかというと、はっきりしない。
「クロスオーバー」「ステーションワゴン」「クロスカントリー」あたりを組み合わせないといけない。
トレッキングというジャンルを作ればいいのにと思う。
オールトラックは発売直後にディーゼルゲートが発覚した不運があったが、最近ひっそりと新型を発表した。
http://golf.volkswagen.co.jp/golfalltrack/
今日29日から新型ゴルフの発売だが、ヴァリアントもオールトラックも同時に発売だったらしく、なんだか寂しい。
オールトラックだけで派手に宣伝してほしかった。
さて、初代パンダはトレイルを派手に走行する動画が多い。
ステーションワゴンではないので荷物はそれほど載せられないが、軽さという面でコンセプトがオールトラックに似ている。
オールトラックという車をよく表現している動画。
新型は中に大きなモニタがあるので、これは旧型ということになのか? と気になるが…。
日本では新型ゴルフ同様、二つの大きなモニタが特長。(12.3インチフルデジタルメータークラスター「アクティブ・インフォ・ディスプレイ」と9.2インチタッチスクリーン)
最新のオールトラックの動画はニューヨークショーのものがあるが、やはりインテリアが旧型と同じに見える。
よくわからないで、日本の見積もりシミュレーションをしてみたら、オールトラックはゴルフ・ヴァリアントに分類されていた。
ヴァリアントのコンフォートラインとかハイラインと同じような棲み分けで、オールトラックがあるのだ。(ドイツ本国も同じ)
アクティブ・インフォ・ディスプレイはオプションなのかどうか、よくわからなかった。
USAでは、SとSE、SELがあり、SEはサンルーフやキーレス、プッシュボタンスタートがつき、SELはディスカバープロタッチスクリーンとある。
でも、旧型もタッチスクリーンか。
見積もりをして出てきたUSAの画面がこれだった。
日本の新型はほんとに最新なのだ。
オールトラックがヴァリアントの1グレード(トリム)だったと気づいたところで、ステーションワゴンのクロスオーバーグレードという謎のジャンルの意味もわかった気がする。
アメリカではオールトラックは堂々とした車種として登場していて、日本でもかつてはそうだったので、今回のゴルフ、ヴァリアント、オールトラックという「同じゴルフです」的な回帰に少しの寂しさを感じつつ、やはりオールトラックは魅力的だと再確認した。
SUVに押され消えそうなステーションワゴンらしいフォルムから、また新しさを感じたい。