中国人のリー・タダ(女性)は、広州の高速道路でフォードフォーカスと衝突し、スピンした。
運転していたのは運転手で、タダと恋人は後部座席にいた。二人はすぐに脱出しようとしたが、ドアが開かない。
なぜなら、その車がテスラ・モデルXだったからだ。
電動で上側に開くあのファルコンウィング。二人は必死に開けようとしたものの、まったくそれが動くことはなかった。
EV車の衝突事故は、数分後の火災、爆発を意味する。二人は恐怖を感じ、フロントシートに逃げた。
そしてフロントドアを開けてクルマから離れたとき、テスラは火に包まれた。
間一髪だった。
この恐怖をクルマ会社に伝えるために、彼らはテスラに100万ドルを請求(本人によると)している。
ファルコンウィングは本当なら開くはずだった。テスラ・モデルXは、車両が電力を失った場合はリアドアが内側から開く仕組みを持っているのだ。
テスラは声明として
“We are glad our customer and their passengers are safe. Working closely with authorities to facilitate their report, we have found that the debris field and damage observed indicate a very high-speed collision, which can result in fire damage to any kind of vehicle, not just electric vehicles. In fact, the other car in this incident (a gasoline-powered car) also caught on fire. Incidents of fires are far more likely to occur in traditional gasoline-powered vehicles than in electric vehicles.”
「顧客と乗客の安全が守られてよかった。よく調べた結果、このダメージは高速な運転スピードがもたらしたものだとわかった。これがたとえガソリン車でも燃えただろう。むしろガソリン車のほうがこういった事故は多い」と語ったが、ウィングが開かなかったこととスピードは関係があるのかどうか不明だ。
もし今後モデルXのユーザーがこういった閉じ込め事故にあった場合は、スピーカーカバーを外せばいい。すると、手動のリリースラッチが見つかるのだ。
しかし、これをユーザーや助けようとしたドライバーが知っているかと言えば、知らないだろう。
コルベットのC6やC7も同じように緊急時のマニュアルリリースレバーがあるが、これも助けようとしたドライバーが気づくことはない。
クルマの事故時、緊急時には、人は直感で動く。「こうすれば開く」とわかっているから、レバーを引いてドアを開けようとするのだ。それが通用しなかった場合、手立てはない。
つまり、緊急時のことを考えると、独自の方法をクルマに導入すべきではないのだ。
この動画はモデルXに閉じ込められた場合に、レスキュー隊がどのようにしてモデルXを破壊するかを試した動画。
オートウィークの記事
http://autoweek.com/article/green-cars/tesla-model-x-owner-demands-1-million-after-falcon-wing-rear-doors-trap-her-car