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ボルボ、XC60/XC90のPHEVを本気で伸ばす。EVだけで最大200km! 「EV化までの橋」がずいぶん長くなった。

写真はすべてXC60です

ボルボの本国公式YouTubeを見ていたら、XC60とXC90が並んだ新しい映像が出てきました。

別に新型XC60とXC90の紹介かなと思って見ていたのですが、どうも様子が違います。

「Long Range Plug-in Hybrid」。

ロングレンジ・プラグインハイブリッド?

これはついに、EV化戦略の変更の具体的な動きかもしれない!

発表されたのは9月15日、そのEV走行距離は、XC60が最大200km、XC90でも最大160kmを、ガソリンエンジンを使わず電気だけで走れます。すごい。

これ、もうPHEVという言葉から想像する距離ではなくなってきました。

バッテリー18.8kWhから41.2kWh!

今回一番変わったのがバッテリーです。

これまで18.8kWhだった容量が、新型では41.2kWhまで一気に拡大しました。

倍以上です。

そしてリアを駆動する電気モーターも115kW(156ps)から130kW(177ps)へパワーアップ。

ボルボによれば、従来のPHEVに対してEV走行距離は2.5倍以上に伸びています。

XC60の場合、T6 AWD Long Range Plug-in Hybridでシステム出力357ps。さらにT8 AWDでは461psというかなり強力な仕様も用意されています。

しかし今回気になるのは馬力より、やっぱり41.2kWhというバッテリー容量です。

少し前なら、これだけの容量で1台の電気自動車を作っていたくらいです。

それを「ハイブリッド車」に積んでしまった。

だから、近所の買い物や通勤だけならガソリンエンジンが一度も動かない日が普通に出てくるはずです。

旅行になったらエンジンを使えばいい。

PHEV本来の「普段はEV、遠くへ行くときはガソリン」という使い方が、ようやくかなり現実的になってきた感じがします。欧州仕様ではAC11kW充電に対応し、0%から100%まで約4時間。大容量バッテリーになった一方で、DC急速充電には対応していません。

ここは少し惜しいところ。

200km走れるなら、出先でも急速充電できたら本当にEVに近い使い方ができるのですが、基本的には自宅などで夜に充電、もしくは走りながら充電という使い方です。

XC60は顔もかなり変わりました

そしてXC60はパワートレーンだけではありません。

今回、外観にもかなり手が入っています。

フロントグリル、バンパー、ボンネット、フロントフェンダー、ホイールを変更。

トールハンマーのLEDヘッドライトも新デザインになりました。

従来型と並べて見ると、基本的なXC60の形はそのままですが、新型はフロントまわりが少し薄く、横方向を強調した感じになっています。

最近のEX60などで見せている新しいボルボ顔を、内燃機関系のXCシリーズにも少し戻してきた感じ。

リアもテールゲート、テールランプ、バンパーが変更され、横方向を強調するデザインになっています。

個人的には、最近のボルボEVにある「とにかく優しくシンプルに」という方向より、XC60のほうがまだ少し力強さが残っていて好きです。

このへんは以前EX60の記事でも書きましたが、最近のボルボはまた少し「かっこいいクルマ」に戻してきている感じがします。

インテリアは11.2インチのセンターディスプレイを採用。

GoogleのAI「Gemini」も搭載され、普通の会話に近い言葉でナビやメッセージなどを操作できるようになります。

安全装備もレーダーやカメラなどのセンサー類を更新し、360度カメラの3D表示、車線変更支援などを装備。

XC90については比較的最近デザインがアップデートされたばかりなので、今回はXC60ほど外観を大きく変えず、ロングレンジPHEV化が中心です。

つまりボルボはEVをやめたわけではない

ここが今回の一番面白いところです。

ボルボは以前、「2030年までに完全EVメーカーになる」というかなり強い宣言をしていました。

ところがEV市場の伸びが想定ほど速くなく、2024年にその計画を修正。現在はEV一本に絞らず、PHEVをかなり重要なモデルとして残す方向へ変わっています。

今回ボルボ自身が、XC60とXC90のロングレンジPHEVを「完全EV化へ向かうための橋」と位置づけています。

でも200km走れるPHEVを新しく作るということは、その橋、けっこう長くなっています。

しかもXC60はボルボ史上もっとも売れたモデル。

2025年には累計270万台を超え、あの240を抜きました。

さらにXC60は2024年の欧州市場で最も売れたPHEVでもあります。だったら無理に終わらせる必要はありません。

売れているXC60を、もっと電気で走れるようにする。完全EVのEX60も売る。そしてXC60にはPHEVだけでなくマイルドハイブリッドも残す。

かなり現実的なラインナップになってきました。トヨタみたい。全方向。

日本に来たらかなり気になる

現在、日本で販売されているXC60 Plug-in hybridのEV走行距離は最大81kmです。

今回発表された200kmは欧州WLTPの数値なので、日本のWLTCモードの81kmと単純には比べられません。

それでも、バッテリーが18.8kWhから41.2kWhになっている以上、日本仕様が登場した場合もEVレンジがかなり伸びることは間違いなさそうです。

81kmでも普通の生活ならかなりの距離ですが、それが100kmを大きく超えてくると話が変わります。

例えば東京から箱根あたりまでなら、片道をほぼ電気だけで走れる距離で、その先は普通にガソリンを入れて走れる。

「EVが欲しい。でも長距離で充電のことを考えるのは面倒」という人にとっては、かなり現実的な選択肢になります。

完全EVのEX60を作りながら、XC60にも40kWhを超える巨大バッテリーを積む。

少し前ならどちらか一方に集約するのが「未来」だと思われていましたが、今のボルボはそう考えていないようです。

XC60とXC90のLong Range Plug-in Hybridは欧州とアメリカの一部市場ですでに受注が始まり、生産は2026年秋後半からスタートする予定です。

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