ヤマハヨーロッパがXSR700の公式映像を公開した。
コンパクトをテーマにクールさを引き出した新デザイン。ライトまわりの質感をアップしてライバルとの差をつけている。
ライトサイドの部分は実際はマットブラックで、トライアンフのような少しチープなシルバーとは違う。
ライトはもう少しはっきりとしたLEDの使い方もできたかもしれないが、シンプルにまとめているということか。
スティールフレームとフロントフォークが映像では色づけされている。
ヤマハの過去モデルからインスパイアされているカラーとグラフィックス。
カラーバリエーション。
なぜ鉄フレームなのか?
XSR900、MT-10は高剛性アルミフレーム。でも、MT-07、XSR700は最初からあえてスチールフレームで設計されている。
それはなぜか?
レースの世界では高価なアルミフレームが主流で、そこに変化はない。
新型XSR900も目立つ太いアルミフレームがデザインの一部としても効いている。
高価でも軽量化を実現するアルミニウムはサーキットや峠で重宝されているが、最近、またスチールを使う車種が増えてきた。
それがXSR700だが、ホンダのCB650R、CBR650Rもあえて鉄フレームが採用されている。
これは、鉄が持つ特有のしなりを、どこでどのくらい発生させるか、コンピュータによって分析が可能になったため。
だから、メーカーが理想の「しなり」をバイクに与えることができるようになったのだ。
そして、安くてしなる鉄は、カスタマイズやマイナーチェンジがしやすい。街乗りが楽しい。
というわけで、また見直しが始まっている。
ホンダのCB1000Rは、新鉄フレームの中でもトップを走るもので、「モノバックボーンフレーム」と呼ばれる。
「しなり」をしっかり出すために、素材を高張力鋼にして、スイングアームの取り付け位置を工夫しているほど。
背骨のようなフレームにエンジンを吊り下げているようなシェイプになっている。
この「しなり」「しなやかさ」を一般ユーザーがどこまで味わえるかはユーザー次第だけども、新しい楽しみのひとつになっている。たとえばタイヤの設置感が伝わりやすくなったり、それで操りやすくなったりする。
国内に導入する前はアルミだったというから、こだわりが感じられる。
最後にサウンド。CP2(クロスプレーン2気筒)エンジンという強みを持つXSR700。デザインはヨーロッパを強く意識していて、日本もアメリカも関係ない。