「より良い未来を」とIT企業のような夢を語るファラデーには、「車社会を変えてみせる」という意気込みがあり、実際にFF91にはその勢いがある。
ワゴン・ハッチバック・エレクトリック・SUVとメディアから呼ばれるこの車は、「こんなデザインが車の未来ならいい」と思わせる何かがある。
予想価格2000万円以上ということで、夢は作るが庶民には売らない主義で、Miraiって凄いなと思ってしまうだけだが、アイディアはどんどん世に出してほしい。
「未来をリフォーマットし、ユーザーバリューも自動車産業もすべてリ・フォーマットする」
という考え方は車業界以外の分野でどんどん始まっているわけで、巨大な産業だけに「黒船」の力が必要。テスラもその先駆けで、中国系を中心に変革へのチャレンジが始まっている。
なぜかコネクト、シェアといった方法で革新を主張する新興メーカーだが、まずは「EVらしい空間と未来」が欲しい。
本当に乗ってみたくなる空間のことだ。
VWやメルセデスらが描くコンセプトカーはとても「乗ってみたい」と思わせるものではなく、手の届かない未来をわざと描いている。
比べて、このFF91の椅子には座ってみたい。
実現性が疑われる同社のプロジェクトだが、ぜひこの車を公道で見てみたい。