BMWのクルマたちが、誰も居なくなったショウルームで話し出すというストーリー。
760Liが最新の電気自動車iXに向かって「このプラットフォームだけが許されているんだよ。おもちゃは駄目だ!」とおじいさん声で言う。
するとiXが女性の声で、「ハイ! おじいちゃん!」と返事して、
「まだガソリンの匂いかいでるの?」と嫌味。
760Li「あっちいけ! ここはリアルカーのルームだぞ」
iX「どうやってリアルかどうかわかるの?」
760Li「それは…」
iX「はい時間切れ」
760Li「エクスキューズミー!」
iX「もちろんわかってないわよね。あなたの世代では会話が不可能なの。私となら、誰でも話せる。名前だってつけられるのよ」
760Li「たまごっち はどうだ?」
iX「悲しいのでしょう。だって私はiDriveを発明したのよ」
760Li「俺が開発したんだ。たくさんの機能がこのひとつのボタンに集約している。俺は生ける伝説なんだ!」
iX「でもね、私は完全に新しいiDriveなの。かしこくて、よりよくて、インテリジェントフュージョンオブセンシング…」
760Li「あほくさ」
iX「エモーショナルコネクショントゥーザピーポー…」
760Li「あほくさ」
iX「イマーシヴ・エクスピリエンス…」
760Li「マーケティング…あほくさ」
iX「なんですって?」
760Li「何について話してるかわかってるよ」
iX「私はインテリジェント・パーソナル・アシスタントよ。意味わかる?」
760Li「インテリジェント?」
iX「私は声に反応し、ジェスチャーや映像に反応するの。それで、あたなは?」
760Li「俺は、とても速く走れる」
iX「私は自然で感情的なインタラクションを提供できる。特長的で、魅力的なヴィジュアルのね。個人的で効率的な私。あなた? 未来は、リサイクルね」
760Li「理解できない」
iX「聴く耳を持たないだけ」
760Li「12気筒だぞ」
iX「気づきがないのよね」
760Li「CDは6枚入るんだぞ」
iX「ディスプレイはカーブしてる」
760Li「TV機能」
iX「キュレーテッド・ドライバー・エクスピリエンス(体験、経験)」
760Li「お前なんかよりずっと経験あるわ」
iX「私は何でも知ってるの! インターネットと繋がってるの!」
760Li「俺もネットあるよ…ぴぴぴ…ぐじぐじ」
760Liのライトが点滅する。
iX「OMG。死んだの?」
760Li「ほっといてくれ」
走りさる760Li。
iX「どこいくの? 戻って! そんなつもりじゃなかった。あなたは本当のクラシックよ。あなたのiDriveなしでは、私は存在さえしなかった。どれだけガソリンを味わったか話してくれないと。あなたからもっと学べると思うのよ」
760Li「俺たちはときどき、たくさんのガソリンを楽しんでたんだ。はっはっは」
iX「時々人生のこと考える。その意味は、わかる?」
760Li「知らん。はっはっは」
※760Liは2001の7シリーズ