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鼓動感を増すフライホイールの秘密 レブル1100

2025年レブル1100が鼓動感を増す改良が行われたようですが、そもそもレブル1100は鼓動感はありますよね。

それを実現させたのはフライホイールの重量化です。同じエンジンのアフリカツインに比べて、開発当初から32パーセントの質量アップがされていたそうです。今回、報道段階ではさらに質量アップがあったのかどうか、よくわかりませんが、鼓動感のキモとなっているフライホイールについて解説してみます。

フライホイールとは、エンジンがピストンからの上下運動を回転運動に換えるわけですが、その際にブンブン振り回すやつです。

ブンブン振り回すというのは、カウボーイがロープをブンブン振り回すやつです。

最初は力がいりますが、あとは慣性の力で少しの力で回るようになります。

要は、一回トルクを使ってフライホイールを回せば、あとは少ない力で回転を加えていくだけで、回転力を維持できるようになるわけです。なので、走り出したあとは燃費が良くなります。

しかも回転のムラもなくなります。

方法としては、クランクシャフトというピストンから伸びる先の部分に、フライホイールという「重り」をつけます。最終的に、このフライホイールがクラッチ板と繋がってタイヤが回ります。

このフライホイールの役割は、形、大きさ、重さによって変わります。慣性モーメントを大きくするためには、この二つの要素を使います。

・外径が大きい

・外側が重い

また、重いと回転が安定し、滑らかになります。

一方で、重くすることのデメリットもあります。

・レスポンスが悪くなる

軽いフライホイールは少ない力で回せるので、回転数アップもダウンも早いです。

なので、シフトアップやダウンが簡単に素早くできます。

なので、レースの世界では軽量ですね。

これで予想できるのは、ZX-25Rは軽量フライホイールの可能性がありますよね。

4気筒ということは、1気筒あたりが62ccで、少ないパワーしか発生しません。なので、回転数が上がるのも早く、高い回転数を出せますが、その間もずっと燃焼でガソリンを使います。なので、ZX-25Rは燃費が悪いです。

ということは、基本的に4気筒は燃費が悪いということになります。

では、クルーザー、特にハーレーはどうしているのかというと、フライホイールを大型化、重量化しています。

さらに、大排気量で2気筒にしているので、500ccや600ccを一気筒に与えられます。

この大トルクで、大きいフライホイールを回すのです。そして、重いフライホイールが回ることで、トルクは大きくなります。

レブル1100は、270度クランクという振動が少ない仕組みでありながら、鼓動感を出していました。おそらく、トライアンフも同じ方法で鼓動感を出しています。ハーレーの水冷エンジンは、おそらくフライホイールは軽量化されているでしょう。

要素として、270度クランクエンジン(高回転で振動が少ない、トラクションがある)、1気筒あたり500ccから600ccという組み合わせで、45度Vツインの1気筒あたり500ccから900ccのハーレーエンジンの鼓動を出せるかというところですが、これは重いフライホイールがまず絶対条件です。

ただし、270度らしく、45度空冷ハーレーより高回転が使えるようになっているので、もちろん(昔の)ハーレーのフライホイールよりは軽いはずです。ハーレーも最近はどんどん軽量化しているのです。なので、重かった昔のナックルは回転自体は安定してマイルドなのです。

重いフライホイールを回すには、力が必要です。その分、しっかり吸気、圧縮して、ドカンと一気にやるわけです。それが鼓動になるようです。

似たような方向性を示しているのが、GB350です。あのドコドコ感は、ロングストロークに加えて、重いフライホイールが採用されているからです。といっても350ccの1気筒で生むトルクに合わせたフライホイールです。おそらく、350ccから500ccくらいに重いフライホイールがいい鼓動を生むようです。SR400も重いフライホイールのはずです。スロットルを掴む手からはトロトロというフィーリングの優しい鼓動感を感じるのは、フライホイールの安定した回転のおかげですね。しかも燃費がいい。

どちらもそのせいで、高回転禁止です。

「回しても加速しない!」というレビューがたまにありますが、あれはドコドコ系には褒め言葉なんです。

ちなみに、SR400はキャブからFIに変わったときに、フライホイールが軽量化されたそうです。

W800もロングストローク、重いフライホイールであのパルスです。

ちなみに、ロングストロークもトルクを得る方法の一つです。フライホイールの重量化と同じく、燃費良し、トルク良しですが、レスポンスが悪いためレースでは使われません。ハーレーもW800もGB350もロングストローク。ですが、なぜかSR400はロングではありません。そして、SR500はロングストロークなのです。

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