6月24日、ホンダは新型シビック日本仕様(11代目)を世界初公開。
「今回のCIVICは人を中心にすべてを磨き上げていこうと」と語っているのは11代目CIVIC開発責任者佐藤洋介。
「コンセプトとしては『爽快CIVIC』と、人中心にすべてを磨き上げた結果、『爽快視界』であったり、後席に座っても視界がすばらしく、かつ運転している人が操作系を触ったとしても、本当にタッチ感を含めて気持ちいい。そういったすべての感覚が気持ち良くノイズレスでフリクションレス…」と、車の目指す未来としては素晴らしいもの。※フリクションレス 混乱を生じさせないもの
ただ、人中心の考えや、インテリアにおけるタッチ感の向上、運転の邪魔になるデザインの排除など、どれもマツダが近年発表してきたものと非常に似ているという印象。最近、ホンダはトヨタではなくマツダの車造りに方向性を合わせてきているように感じる。それも、隠すことなくやっている。「マツダに似てるといわれようが、ホンダはこっちで行くぞ」と腹をくくったような勢いを感じる。
「ユーザーの暮らしを爽快にする豊かなエクステリアを」と語るのは浅野一麿。
「名前も爽快エクステリアと名付けました。運転しやすく、心も開放的になれるようなキャビン。そして、クーペのように流れるプロポーション。シンプルで徹底的に作り込まれたサーフェスやディティール。この内容に注力して作りました」
「たとえばピラーの位置がどこにあるのか。サーフェスやキャラクターラインがどうあるべきかを徹底的に話し合い、作り込んでいきました」
「ヘッドライトはフルLEDにしました。グリルにはハニカムメッシュパターンを採用して、よりスポーティに見えるようにしました。リアはギリギリまで拡げ、大きな開口面積と、ノイズレスな見え方を両立しております」
インテリアデザイナーは小川泰範。「インテリアはさわやかな一日の始まり。そういったものが感じられる内装を目指しました。朝の強い日射しの中で、運転の邪魔となるような、不要なカットラインだったり、面の折れをできるだけ排除することで、シンプルでクリーンな造形になったと思います」
「特長的なメッシュ部分は、隠すだけじゃなくて、それ自体が車のアクセントとなるものを目指しました」
「インテリアは、人と車を結ぶインターフェイスそのものなので、人の動線に沿った設置だったり、いろんな機能をレイアウトしたり、人の運転中の目線の動きが最小限となるような画面のレアアウトというものがあると思います。また、インテリアは硬いモノは硬く、柔らかいものはしっとりと、押すもの回すもの、それぞれに最適な形状というのを目指し、しっかりとしたフィードバックも含めて作り込んでいます」
他にも映像では走りに関することや、シビックがホンダの象徴であることなどが語られている。また、最後にプロモVも。発売日や価格は未定だ。
2022年にはタイプRやeHEVモデルが予定されている。
今回発表されたのは5ドアハッチバック直列4気筒1.5Lターボ。
映像で言われている視界の良さを実現しているのは、フロントピラーの後退(50mm)。これによって左右方向の視界が拡大した(84度から87度)。さらに、ボンネットの両端が25mm低くなり、視界が広がっている。
また、サイドウィンドーの下端をリアに向けて上げるのをやめて、水平に近くしたことでウィンドウが広くなった。
デザインは10代目がガンダム的な凸凹なフロントとリアで、それはそれで良かったが、サイドには意味不明なキャラクターラインがあり、「作り込まれた」とは言えないものだった。
今回はエクステリアにおいては「洗練された車」という印象を与え、従来のホンダ車とはだいぶイメージが違う印象がある。「曲面の造形がしっとりしている」という感想だ。
その曲面が車全体を一つの流れで覆っているような連続感があるのも10代目との大きな違いだと思う。
正直、今までのホンダ車のインテリアは、「欲しい!」と思わせるものではなかった。
今回はついに、それを乗り越えたと思わざるをえない…。