先週末から日曜日にかけて行われたF1フランスGP。
金曜日のフリー走行ではマクラーレンがときどき1位になるなど、今までにない状況が生まれてきた。
メルセデスが圧倒的に強いことはかわりないが、レッドブル・ホンダがスペック3のエンジンで挑んでも、状況はあまりよくない。関係者によると効果が出るにはまだ早く、フェラーリに対抗できるほどではないようだ。
そのかわりに、ルノーのエンジンがホンダエンジンに迫ってきた。
ルノーチームはもちろん、ルノーエンジンを載せたマクラーレンまでぐいぐい来ているのだ。
今年の開幕から現在まで、メルセデス、フェラーリ、レッドブルで表彰台を独占し、それ以下はまったく奮わなかったのだが、フランスGPからは違う。
このスタートを見てわかるように、3列目をオレンジ色のマクラーレンが占めている。こんなことは今シーズン一度もなかった。
その後ろにフェラーリのベッテルとレッドブルのガスリー。
今までなら3列目までを上位3チームで占めていたのに、いきなりマクラーレンのノリスとサインツが割り込んできたのだ。
そして、スタート直後、レッドブルのフェルスタッペンに猛然と襲いかかったのがマクラーレンのサインツ。この様子を見て、「ついに3強時代は終わったのか…」と思った人もいたはずだ。
しかし、その後の展開は退屈だった。
上位に順位の変動はほぼなく、ベッテルがマクラーレン勢をかわし、ガスリーが11位まで落ちた(予選とタイヤの関係)ことくらいだ。
フェルスタッペンの後ろは終盤までがら空きで、前のルクレールがなんとか見える程度だったというから、孤独な戦いだったはず。
モナコでは1位のハミルトンに襲いかかっていた男だから、4位を孤独に走るのは辛かったはずだ。
唯一の見所は、ゴールまであと1周あたりで起こったマクラーレンとルノーの戦い。
その集団で先頭だったノリスが一気に10位まで下がり、ルノーのリカルドと入れ替わった。だが、ゴール後の裁定でリカルドにペナルティがあり、11位だったガスリーが10位入賞となった。
そんな争いも今シーズンはそれほど起こっていなかったし、トロロッソとハースが競っていたはずだが、今回は争いに参加できず。
今回の様子を見る限り、今後はトロロッソとハースがマクラーレンとルノーに対抗できそうにない。マクラーレンはシャシーも生まれ変わって、前半戦のような醜態はもう見せることはないだろう。
このシャシーとホンダで戦っていたら、それはそれで面白かったのに…。