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相次ぐボルボV40のリコール プレミアム価格と品質にギャップか

 

ボルボV40にリコールが相次いでいる。

エントリーグレードとはいえ、300万円から400万円するプレミアムカー。

この価格に見合った「いい製品」なのかどうか、リコール内容を精査したい。

 

まず7月4日から受け付けがスタートするのは、キャップレス給油口のリコール。

「シールの材質が不適切だった」という品質問題で、洗車でシール能力が低下し、雨水が燃料タンクに入るという事例が国内で24件発生したという。

結果、走行中にエンスト、走行不能におちいる。

リコール対象車は27年6月16日から28年2月8日までの2157台。

これが一つめで、二つが高圧燃料ポンプ。





走行を繰り返すことで、燃料を高圧下するピストンが摩耗。エンジンが始動できなくなる。

高圧燃料ポンプの品質が悪かったということだ。

対象車は27年4月20日から28年10月29日までの3656台。

前にも燃料フィルターの防錆処理が不適切でリコールがあり、エンジンまわりの品質劣化が問題視されている。

 

ボルボは最上級モデルV90、XC90でも制動装置でリコールを出していて、全体的に価格と品質が見合っていない可能性がある。

 

 

 

プレミアム化を進め、成功しようとしている最中

 

ボルボはプレミアム化を目指し、エントリーグレードV40も今は400万円程度。3つのグレードのうち、最下位グレードは装備が貧相でディーラーには勧められず、実際は中グレードのモメンタムからのスタートとなる。輸入車の中では比較的オプションで値段が跳ね上がる設定ではないのが良心的だが、普通に購入すれば400万円近くする。

「400万円なら他のプレミアムが買えるな…」となるところだが、そこを「プレミアムブランドである」という意識のもと踏ん張っていて、「ボルボで旅館に行けば、あっとなりますよ…」と恥ずかしいことを店員が言ったりするブランドだ。

 

個人的にはボルボが好きで、コンセプト、インテリアなど秀逸だと思っている。

ただし、その価格に見合った品質、性能があるのかといえば、「安全性能と内装に頼りっきり」というのが現実だ。

燃費、エンジン性能、シャシー性能において国産メーカーより優れているものはなく、ガソリン車は実燃費で10リットルを切り、エンジンフィールが良くもなく、ディーゼルはガラガラ音を出してマツダの比ではない。

噂では2015年のマイナーチェンジ前だと、警報器の誤作動やアイドリングストップの不具合、変速トラブルも報告されている。

「それでもいい」と思わせるブランド力はたしかにあるので、お金を出す人は出すのだが、こういうリコール情報を見ると残念な気持ちになる。

プレミアムというならば、徹底した品質管理、エンジンの品質などを問題にしてほしい。ボルボに限ったことではないが、そうだ。

プレミアムと言わないなら、デザインだけで突っ走ってもいい。

 

ただし、リコールが出たからといってボルボのエンジンがもの凄く悪いわけではない。

ボルボはフォード傘下から中国の吉利傘下になり、2010年から独自エンジンの開発を決めた。

5年後にエコ性能を磨いた4気筒エンジンが完成。

現在発売されているXC90は100パーセント、ボルボの開発による。

 

フォード傘下で共有プラットフォーム化されていたボルボがフォードに見放され、スウェーデン政府にも見放され、サーブのように倒産する可能性があったのにも関わらず、吉利傘下でデザインを一新し復活したのは、まだ最近の話なのだ。

エンジンもまだ出来たばかり。

今まさにボルボは復活の先に飛躍しようとしている。

 

V40においては、まだフォード時代の名残りがある。

フォードフォーカスと同じプラットフォームで、ステアリングシステムも共通。

プラットフォームは古いマツダアクセラが採用していたC1プラットフォームと呼ばれるもので、古いが評価は高い。

椅子の材質や安全性能標準化、ブランド力で高価格帯になったV40だが、安全性能も各社が標準化の動きがあるなか、優位性はない。

完全オリジナルのXC90のプレミアム化はまだいいとして、完全オリジナルではないV40はコミコミ300万円程度に抑えないと、ギャップは埋まらない。

「性能に見合った価格なのかどうか」

それはお金を払う客側がしっかりと見極めなくてはならないのだ。

 

と、厳しいことを言ったが、XC90やXC60のようなエクステリアがV40にまで下りてきたら、ついお金を出してしまいそうなほどボルボデザインは魅力的である。

ボルボがスウェーデンという国とライフスタイルにこだわりを見せるのは、アメリカ企業に買収され、政府に見放され、中国企業に買収されたから。

「我々は中国企業ではなく、スウェーデン企業である」と、強烈にこだわっているがゆえ、北欧スタイル重視のコンセプトが生まれた。

ドイツメーカーがドイツブランドにこだわらないのとは大きな違いかもしれない。