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S660 限定車で狙うコンセプト売り。 コモレビエディションが目指すもの

S660がブルーノレザーエディションに続いて「コモレビエディション」を発表した。

ヒダマリアイボリーパールにブラウンの幌というスポーツカーらしからぬ色合いで、大人の都会暮らしにより似合う限定車となっている。

写真もそのコンセプトイメージを表現する「いいもの」になっている。

残念なのは、少し女性向けのイメージを出しているところだ。

こんないい色の組み合わせのモデルなら、男性だって欲しい。男性だからアグレッシブでスポーティな色だけを求めているとは限らず、こういったスポーツの世界とはかけ離れた色は「欲しくなる」はず。

 

業界全体として、「車好き」と「そうでもないけど、自分の暮らしを高めるために欲しい」という人の差を理解できない。

詳しくはないけど、「いいワインを買うように、車も素敵なものがいい」と思っている人はいて、その場合はスポーティなものを選ぶことができない。車好きが好きそうなスポーティな色合いとデザインになってしまうからだ。

結果として、スポーティな良さを味わうこともできない。普通の軽だったり、ただ乗り心地がいい高級車、最近だとSUVになってしまう。

車は好きだけど、車好きじゃない。というのは、サッカーは好きだけど、サポーター席で応援はしたくない…と思っている人がいるのと同じだ。

あのアイドルは好きだけど、ライブに行くほどじゃない…。

 

コモレビエディションは、車はスポーティ。ライトウェイトで軽快な走りを楽しめる。

でも、乗っているからといって、「あの人は車好きなんだね」と思われることはない。

「生活をより今より上質に」というイメージで乗ることができる。

空港でなら、会員限定のラウンジでくつろぐように。ボディの色を眺めてうっとりできる。

 

ブルーノレザーもそうだ。男向けなイメージがあるが、男性だって女性だって、このエディションを手に入れれば、ただ、「私の暮らしがワンランク楽しく、上質になった」と感じることができる。

高級車でそれを手にするのではなく、ライトウェイトで上質を楽しんでいるのがいい。

車に詳しくは一生ならない。でも、車の持つ世界観や、車がもたらす風景の変化を感じ、どうしてなのかわからないが、運転が楽しいこの車を存分に味わう。

 

ライバルのコペンも「ラブ・ローカル」というコンセプトを打ち立て、コペンで人生を楽しむというイベントをバックアップした。S660も、限定車によってそういったメッセージを出し続けている。

そういったコンセプトを提案し続ける売り方は、業界全体に浸透してほしい。

CM業界に売り方を任せて、すぐに手放してしまうのではなく、ずっとオーナーやファンを刺激し続ける。

スペック重視の車好きとは違う、車好きの楽しみ方。

コモレビエディション、いいと思います。

 

追記

スポーティだから生活を上質にしない、というわけではない。